“蝦夷和紙”とは?
“蝦夷和紙(えぞわし)”ということば、
はじめてお聞きになった方もいらっしゃるかもしれません。
実は、紙びより工房が名付け親なんです。
北海道の植物からなる北海道生まれの手すき和紙を
親しみをこめて蝦夷和紙と呼んでいます。
日本の和紙づくりの伝統は古く、約1500年前に紙の製法が伝わったといいます。
現在の和紙の代表的な原料となる木は、楮、三椏、雁皮など。
そのどれもが温暖な気候で生育する植物で、
冷涼な北海道では自生種、栽培ともほとんど例がありません。
なるほど、北海道に和紙の伝統が根付きにくかったことが伺えます。
けれど、北海道は豊かな大自然に恵まれた大地。
北海道に生育する植物で紙を作ったら、どんな紙ができるのでしょう?
本州の和紙産地で修業し、地元札幌で手すき和紙工房を構えた和紙職人 東野 早奈絵は、
地元に根差した、北海道生まれの和紙作りへの挑戦を始めました。
それは、伝統的な和紙づくりの常識からはちょっと脱線した挑戦でした。
山へ入って植物を採取したり
地元の方のぜひに!との要望で植物をいただいたり…
なにもかもが初めての体験
ノウハウも、レシピもない手探りの紙作りをする試みです…
そのため、試行錯誤。失敗も日常茶飯事。
煮ると原料がドロドロに溶けてしまったり、
何度煮ても繊維が取り出せなかったり、
1日かけても一掴みの原料しかできなかったり…
今までに様々な苦労や失敗がありましたが
まだ見ぬ紙の姿を楽しみに挑戦を続けます。
みなさんのご協力と努力のかいあって…
今までに、様々な蝦夷和紙が生まれてきました!
生まれたての和紙を手にとるときの感動は、いつも格別です。
今までに誕生した蝦夷和紙
今までに多くの植物から蝦夷和紙が誕生してきました。
出来上がる蝦夷和紙は、植物によって表面から樹皮がゴツゴツと飛び出していたり、樹皮繊維が荒々しくうねっていたりと実に個性的。
野性味があり、素朴な風合いの和紙は、建築物の壁紙やインテリア、和紙雑貨ほか様々な用途でお使いいただけます。
- オヒョウニレ…樹皮繊維のうねりが力強い薄茶色の和紙
- ササ…黄金色で繊細な繊維が作り出す美しい黄色味を帯びた和紙。あたたかな風合い
- 白樺…樹皮のかけらがゴツゴツと飛び出した、白樺の木を想起させる個性的な和紙
- 麻…強い繊維と軸からなる繊維がそそり立つような和紙
- 亜麻…亜麻色の繊細な繊維が交わり合った漉けるように薄く繊細な和紙
- フキ…濃い緑色のフキ繊維が美しくうねる和紙
- イラクサ…繊細で強靭な繊維からなる和紙
- ヤマグワ…樹皮とリグニンが混合したゴツゴツ、ザラザラとした独特の質感
- ハルニレ…こげ茶色の繊維は唯一無二。強い繊維のうねりが加わり固く個性的な風合い
など
暮らしに蝦夷和紙を
北海道の植物の息吹を感じる蝦夷和紙を、日々の暮らしに使ってみませんか?
- しおり
- はがき
- メッセージカード
- 和紙プレート
- うちわ
- キャンドルホルダー などなど…
蝦夷和紙商品をぜひご利用ください。