深夜2時。
マニラから長距離夜行バスが出発。

不慣れな土地の深夜…
マニラの人たちが爛々とした目でこっちをにらんでる…
(…と、不安感から思い込んでる)
緊張や揺れで、あまり眠れなかった。
夜明け頃、マニラから北へ260kmほどにある
天空都市、バギオに到着。
標高1500mほどの山間部にあるため地理的位置にしては涼しい。
山の斜面に沿ってひしめく家々。
中にはレインボーの装飾もあり
カラフルな街並みはおとぎ話の世界のよう…


ローカルバスのターミナルに移動したら、雰囲気は一変。
市場に古びたレストラン、バスを待つ地元の人々…
ぐぐっと深みに入った気がして
地方に来たな!という感慨がわいてくる。

バス停近くのレストランで朝食。
温かいおかゆが、疲れた体に染み渡った。
ぼーっとした頭を、コーヒーが覚ましてくれた。


トイレの使い方を誤り、冷や汗。
フィリピン式は、用を足したら備え付けの手動シャワーで洗う。
排水があまりよくないので、紙は流しちゃダメ。
便座も、ほとんどついてない…
この旅の間、フィリピン式を習慣付けなくては。
ローカルバスは、すごい坂道、曲道をくねくねと。
足を踏ん張っていても
座席から振り落とされそうになる。
こんな道で事故が起こらないのが不思議だ…いや、
起こったとしても遠く日本までは聞こえてこないだけか…
そんなこと思いながら、心から無事を祈る。
ローカルバスに揺られ2時間。
さらにローカルな場所に着いた。
近くの商店で
村の人たちにこの近くに住む日本人を知らないか、と聞いてみる。
彼らがあの人だろう、みたいに話している…また工房までは遠いはずだけれど、日本人、というだけでおおよそ目星が付く所。
トライシクル、という小型の乗り物に乗り換える。
山道を登ることもうしばらく…
どこまでも上へ上へと昇っていく。

訪ねゆく紙すき人とは…
数十年前の和紙雑誌の取材で「霞を食べて生きているような人」と紹介されていた…
フィリピンの山奥で仙人のような暮らしをしている、という噂も聞こえてくる…
「こんなところに日本人」というテレビ番組でもフィリピンの山奥で活動する紙すき人として取材をされたという…
そんな方のもとへ、はるばると。
いったい、どんな方なんだろう。不安と、期待と。
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